浮世絵とは
浮世絵(うきよえ)は、江戸時代に成立した絵画のジャンルです。別名「錦絵」とも呼ばれます。
演劇、古典文学、和歌、風俗、地域の伝説と奇談、肖像、静物、風景、文明開化、皇室、宗教など多彩な題材があります。
「浮世」という言葉には「現代風」という意味もあり、当代の風俗を描く風俗画です。
大和絵の流れを汲み、総合的絵画様式としての文化的背景を保つ一方で、人々の日常の生活や風物などを多く描かれていました。
浮世絵の種類には、版画と絵画・肉筆画のものがあります。絵画と肉筆画は一点ものであり、名のある絵師によるものは高価なものでした。
これに対して、木版画は版画であるために、同じ絵柄のものを多く刷り上げることができ安価で、江戸時代の一般大衆もたやすく求められました。
※「錦絵」とは
浮世絵版画の版様式。1765年(明和2)に江戸で大流行した絵暦(えごよみ)交換会を機に飛躍的に進歩した多色摺(ずり)木版画をさす。錦絵は、下絵を描く絵師と、彫師、摺師、版元、さらに好事家(こうずか)の協力による所産である
が、絵師では鈴木春信(はるのぶ)がもっとも深く関与し貢献したため、彼を創始者とすることもある。
以後、その優れた色彩美と表現力によって急速に発展普及し、1780年(安永9)ごろ以降は錦絵以外の浮世絵版画はほとんど制作されなくなり、
江戸後期から明治期には、浮世絵版画と錦絵はほぼ同意語となった。